雨上がりの舞台で繰り広げられた第76回丸亀国際ハーフマラソン。直前まで雨が降りしきり、その雨音が路面に響いていた。しかし、スタートの直前、雨は止み、気温は7℃。肌寒いけれども心地よい風が吹く、まさに絶好のマラソン日和が広がった。
私は記録更新を目指し、「C」ブロックでスタートを切った。足元はadidasのアディオスプロ3。最初の5キロくらいまでは、心地よい風を切り裂きながらかなりのスピードで進むことができた。その間に、貯金をためていく戦略を心に留め、自らの限界に挑戦していく。
しかし、マラソンは予測不可能な挑戦だ。5キロの地点で足に違和感があり、失速の兆候が現れた。前回の大会で21キロを踏ん張りきったのだが今大会はそういう訳にはいかないようだ。それでも、セカンドベストという結果を収め、100分切りを死守できたことには一抹の満足感がある。
次なる舞台は高知でのフルマラソン。その前哨戦としての丸亀国際ハーフマラソンは、良い調整の機会となった。再来週のフルマラソンに向けての手応えを感じることができたのだ。
雨上がりの路面は、まさにランナーにとっての特等席。シューズの心地よい音と共に、孤高のランナーとしての旅路が幕を開ける。村上春樹の小説に登場するような、静寂と興奮が入り混じる瞬間に、ランナーの魂が喜びを見出す。
雨上がりのハーフマラソンは、ランナーとしての喜び、苦しみ、そして孤独さが交錯する場。フットステップのリズムは、まるで音楽のように響き、走りながらの心の旅に彩りを添える。そして、その一歩一歩がランナーに独自の物語を紡ぎ出す。
再来週の高知でのフルマラソンに向けて、今回のハーフマラソンで得た経験を胸に秘め、更なる高みを目指す。フルマラソンの舞台は、距離の遠さだけでなく、自らとの向き合いでもある。コース上での出会いや、他ランナーとの競り合いが、ランニングの真髄を味わわせてくれる。
雨上がりの丸亀国際ハーフマラソンは、私にとっての新たなスタートとなった。セカンドベストを収めつつも、その先に広がるランナーとしての冒険への期待が膨らむ。フルマラソンでの挑戦に備え、体力と精神を整え、次なるランナーの旅に臨む。ランナーとしての人生の一節は、まだまだ途中。道は続いていく。
※香川県丸亀市 名物の骨付鳥です。
CHAPPO – ふきだし
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